🏠️家庭内恋愛💕
第9章 善意の行為
「2時間…運転疲れたんじゃないかい?まず、休みなさい」
久則は希伊子を家のなかにいれお茶を出した。
「――――意外に…綺麗にしているんですね…」
「アイツが入院している時から…何でもやれるようにしていたんだ――――…掃除に自炊…あと、税金関係な…アイツにみっちり仕込まれた」
妻は一人残される久則を案じて、亡くなる前に色々と教えていったのだ。
「お義母さん…凄い――――」
「まぁな……もっと早く…病気に気づいていたら――――…助かったんじゃないかって、今でも後悔してる」
仏壇の上には、妻の真新しい写真が歴代の先立ち列と一緒に飾られていた。
「田んぼやってると……一年なんてあっという間だった…」
久則は、まだ記憶にある妻の顔を思いだし笑った。
その日、希伊子は久則と話をして帰って行った。
久則は、妻の遺品整理をする――――と、言うことを希伊子が帰ってから思い出す。
「希伊子さんも、気晴らしがしたかったのかな?」
と、久則は希伊子の珍しい行動にそう意味を持たせた。