🏠️家庭内恋愛💕
第10章 最終章・100年物語
「まぁ、そう焦るな――――ほら、着いた…」
階段を降りた先には…父が言うように、シェルターみたいな入り口があり――――、何百年も厳かに儀式をしてきた風な感じはなかった。
「――――なんか…思ってたのと…違う」
ビクビク着いてきた柔牙も、入り口の近代的作りに拍子抜けしていた。
「昔は、牢屋みたいな作りだったが、歴代の神主たちが、過ごしやすいように作り替えて行ったんだ。
中はちゃんと、祭壇と――――儀式を考えた作りになっているんだ…、いやぁ――――神主になってから…この儀式を楽しみしていたんだ…父さんは」
父は儀式を楽しみにしていたらしく、扉を開け中に入った!
その姿に戸惑いながら、二人も後に続く――――と、中は…薄暗いが部屋が2つ存在していた!手前の部屋は居間的スペースなのかちょっとした水道にIHキッチンそれと冷蔵庫やソファ、テレビ等があった。
そしてその奥、次の部屋が儀式の部屋なのか神棚と祭壇が置かれた…8畳ほどの部屋だった。
「――――なんか…宗教染みた作りだね…祭壇って…パッと見――――ベッドみたいだ…」
神棚の前にある祭壇は――――祭壇と言うより、大きなベッドみたいで柔太が手を置くと…少し固めのスプリングの跳ね返りを手のひらに感じた。
「まず――――…お清めの水を飲もう…もう、儀式は始まっているんだ……。加代子を待たせているし、男の儀式はちゃっちゃと済まそう」
――――男の儀式…と、言うのが少し気になったが渡された“清めの水”を神棚の前で一礼と共に飲み干した!
「!?うわ!これ――――お酒!?いいの?僕――――未成年…だよ?」
飲み干した“清めの水”は日本酒の様な味がしたが、「うゎ!」っと、反応したのは柔牙だけで父も柔太も――――少しの違和感だけで、すんなり飲めた。