🏠️家庭内恋愛💕
第5章 身代わり終着点
「――――ただいま」
実家に帰ると、いつものように居間から「おかえり~!」と、陽気な声が聞こえてくる。
居間に入ると、両親と姉が食後のデザートをテレビを見ながら食べていた。
「彰吾、晩御飯は?」
「食ってきた――――何、食ってんの?チイゴ?」
家族の手元にはフルーツ皿に盛られたイチゴが見えた。
「彰吾も食べる?」
姉が立ちあがり冷蔵庫までチイゴを取りに行く…。
弟の分を取りに向かう姉に母親があきれた顔をする。
「ちょっと、千秋(ちあき)――――食べたきゃ自分で取りにいかせなさいよ!」
「え~別に、練乳取りに行くついでだし」
姉の千秋は冷蔵庫から彰吾の分のイチゴと練乳を取り出すと、自分の隣の席に置いた。
「ほら、彰吾――――イチゴ好きでしょ?」
彰吾は今の彼女と同じ名前である姉の隣に座ると「世話やきババア」と、悪態をついた。
だが、姉はいつもの事と…そんな弟の態度を微笑みで返す。