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おにぎり短編集

第2章 カレーライス

月曜、夜9時半。
辛うじて座れた電車に揺られて、終点に辿り着く。
わたしの中にはもう何も残っていない。空っぽだ。月曜の夜からこんなことになるとは思っていなかった。次の休みは気が遠くなるほど先に思えて、ひとりため息をついた。

ターミナル駅では、扉が開いた瞬間にたくさんの人が降りていった。
家路を急ぐ人々が、無表情で忙しなく次々にエスカレーターに並ぶ。
わたしは、この波にのまれるのが億劫で、その場に留まった。

まぁ、乗り換えまで充分に時間もあるし……。

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