おにぎり短編集
第4章 タイトル未定
……そうして、話は冒頭に戻る。
わたしの耳と胸を煽ったあと。
大きくなったものをわたしの下半身に擦り寄せながら、先輩はなお、余裕のある声でわたしに言った。
「……感度いいから、これでイけるでしょ? イったらやめる。どうせ抱える罪は、軽い方がいい」
「……もうこうなってる時点で、かなりの重さではあります……」
「最後までしてもいいの?」
……本当は、最後までしてほしい。
だけれどやっぱり、そこまで落ちたらきっと立て直せなくなる。
「それは……」
首を横に振り切れずにいると、先輩は笑いながら耳にキスを落として、囁いた。
「じゃあ、ここでいきなよ」
先輩の余裕は1枚も引き剥がせないまま。
ただただ腕の中で抱き潰されるわたしは、苦しいまま息をした。呼吸が、声が、気持ちが、自分が受けている快楽で頭がいっぱいになっていく。
意識がなくなっていく、その時。
……その瞬間だけは、罪悪感を捨てた。
完