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おにぎり短編集

第5章 夕暮れ


彼女の、さらりとした髪と頬。
僕はいま、そんな現実に胸ぐらを掴まれそうになっている。
こっち見ろって言われている。
僕はきっと、ぎりぎりまで見ないし、見られない。

いや、見て見ぬふりを続けるんだろう。

腕の中、震える彼女から、何も奪われないように。そんなことを思いながら、しっかりと彼女を抱きとめた。



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