
戦場のマリオネット
第1章 辱められた矜持
「随分、おとなしくなったな。こういう変態プレイ、実は好きだったんじゃないのか」
「……リディ様のためよ。あの方には絶対手を出さないで」
「どうだか。こんなとこに叙任の印を刻ませて、純潔が聞いて笑うよ」
「触らないで!」
イリナの右脚内股に刻まれた十字。それは、騎士が自ら仕える女に与えられる剣(つるぎ)の痕だ。
儀式について詳しいところまでは知らないが、少なくとも、彼女はリディにこんな場所を見せたことになる。
小指も入らないような肛門に、膣口をしたたる血液を掬い上げてきて、気休め程度に塗りつける。イリナが僅かに火照っているのは、相応の痛みのせいだろう。鍛錬した軍人でも、痛覚に免疫がつくだけで、無痛にはならない。
小刻みに震えて沈黙するイリナの尻に、やっとの思いで私は指を抉じ入れた。利き手の中指で襞を裂いて、血の滲み出したところに左手の中指を捩じ込む。両手を使って尻を割くという作業は、貴族的な遊戯とはかけ離れている。
体勢を戻す許可を与えても、イリナは尻を突き出したまま、丸くなって震えていた。
日没後、私はメイドにミリアムを同行させて、イリナの衣類と食糧を運ばせた。背格好は私と大差なかったが、下着はメイドの古着をもらった。
