
戦場のマリオネット
第4章 愛慾と宿怨の夜会
チェコラス夫人は、気に入った貴族を部屋に招いては、まるで所蔵している芸術品を検めるように愛でていた。もし彼らが純潔なら、その貞操を所望する。
私も彼女に誘われた。
過度に母性が重宝されるチェコラスの風潮を物心ついた頃から疑問視していたためか、私は自分の身体に備わる女の部分を出すことに抵抗があった。性に違和感は全くなかったが、鍛錬を重ねても一定以上の筋力はつかず、特に胸や尻に顕れ出た凹凸などは、他人の目や手に触れることを極端に避けてきた私は、夫人に求められるまで寝室でも脱衣したことはなかったし、それは今も変わらない。
しかしチェコラスの貴族の習癖が、私に忠誠心を示させる。
「こうして見ても、やっぱりラシュレは美しい……六年前より、今の方がずっとよ……私のものになれば良いのに……」
「酔いすぎですよ、……薬、強かったんじゃないですか……」
「飲んだのは貴女と同じ量よ」
夫人の啄みが、総身に甘い痺れを広げていく。私の身体はひとりでにたわみ、顫えて、従属という快楽の海に沈む。
女のような声が喉を突き抜けるのを抑えたがる私に、夫人は悪戯な顔で泉門を探り、愛撫を施す。
潤みに沈めた指を動かし、胸を上下させる私に目を細めて内壁をこするようにして攪拌すると、いかがわしい張型を下腹部につけた。
私を組み敷いた夫人の目が、彼女自身の腰に巻いたベルトから伸びる性具を見下ろす。
