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戦場のマリオネット

第5章 真実と本音




 ホテルを出て、私達は屋敷に戻った。

 家族は就寝していたが、メイド達が浴室を準備してくれた。

 片時も離れることを考えなかった私達は、狭い脱衣室で裸になって、同じシャワーの湯を浴びた。アレットともこんなことしたことのなかった私が、イリナに見せられないものはなくなっていた。一つになってしまいたいほど、ずっと彼女が好きだったから。…………


「背中向けて、イリナ」


 私はイリナのうなじから下へスポンジを滑らせていく。色素の薄い皮膚の色に斑があるのは、責め苦の名残だ。

 泡にまみれたイリナの背中に、私は唇を押しつける。

 キスしたところ全てが無傷になれば良いのに。夢みたいな思いが頭の片隅を掠める。


「はぁっ、……洗って、くれるだけって……」

「洗ってるじゃないか」

「アッ……」


 背中だけではこと足らず、腕にも尻にもスポンジを這わせる。腹に手を遣り、私は彼女の鳩尾を撫でる。恥丘をくすぐる。がくがくと悶えるイリナから軸が抜けていくのを感じた私は、浴槽の蓋を閉めて座らせた。


「いくら夏でも、風邪ひくわ……」


 内股の十字に口づけても、イリナは私を呼部だけだった。いつからか触るなとも言わなくなった。

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