
戦場のマリオネット
第1章 辱められた矜持
オーキッド家の人間に顕れがちな、はっきりとした目鼻立ち。その特徴が私に出ることはなかったが、勝ち気とも見える顔立ちは、明るく素直なアレットの気性を巧く映し出している。
私は彼女の手を引いて、ソファ近くに場所を移した。うなじから包み込むようにして身体を寄せて、薄く開いた唇を塞ぐ。
「んっ、……」
挨拶くらいのキスを離すと、それでも二十歳になったばかりの妹は、無垢な少女の顔を早くもぼんやりさせていた。
「アレット。私は君を生涯守る。それじゃ、足りない?」
「…………」
足りない、と、呟きながら、アレットは私の胸に柔らかな頬を押しつけてきた。ブラウスがギュッと握られるのを感じて、しまった、あの廃屋から戻ってから着替えていない……と焦る。しかしアレットは衣服の汚れを特に気にせず、「抱いて下さい」と続ける。
子供をあやすようなキスを施したばかりの唇に、今度は恋人を気取った口づけをして、気づけば少女から女になっていた妹のそれを甘噛みして、吸い上げる。甘く媚びた吐息をこぼす唇に舌を差し込むと、素直な彼女は、待っていたと言わんばかりに口を開いて、私の舌を招き入れる。
