
戦場のマリオネット
第5章 真実と本音
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私が泥のような眠りから覚めると、リディ様は釣鐘型のドレス姿から、メイドのような格好に変わっていた。ロウトゥ城へ移されるか私の世話係になるか、二者択一を迫られたという。
ラシュレが収容所へ送られて、丸一日が経っていた。
昨日の話が事実なら、以前、庭園でラシュレに甘えていた令嬢は、私の妹ということになる。
彼女、アレットの部屋へ、私はメイドに案内させた。彼女は私を追い返すよう命じたが、それでも私が食い下がると、扉を開けて、あからさまに煙たげな顔を見せた。
「貴女もラシュレを利用していたの?」
単刀直入に私は問うた。
彼女達の仲は、家族の域を超えていた。ラシュレがコスモシザの侵攻にあすこまで意欲的だったのも、私が腑に落ちない点だった。あの女たらしの軍人のこと、花も恥じらう彼女のような女が少し色目を使ったら、情に絆される可能性は十分にあった。
「だとしたら、貴女は私をどうするの」
「それは肯定ととれと?」
「貴女の洞察は褒めてあげる。お姉様には、公爵様に何の義理もない。だけどお父様達の計画のために、心を決めていただかなければならなかったの。そこで私は小さい頃から、可愛い妹でいるよう言いつけられてきたわ。男を怖がって、結婚を嫌がる振りをしろと」
