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戦場のマリオネット

第5章 真実と本音




「んっ……あぁ……」



 白んだ青空の下に咲く、白い花の香りがする。ラシュレは確かにここにいた。

 私はその香りに抱かれるようにして、乳房に、腹に、太ももに、私自身の手のひらを這わす。こんな風に触れられた、こんな切ない思いを持て余していた。


 今頃、まだ一緒にいるはずだったのに。明日も明後日も一緒に過ごせるのだからと言った私に、彼女は否定しなかったのに。


「はぁ……はぁっ、ァッ……あぁ……」


 殺したいほど憎んでいた。憎しみがなくても許さない、と腹の底で罵り倒して、私はあの淡い金髪の影差す翠の目にさえ犯されていた。顔を見ているだけで頭がどうにかなりそうに、くらくらしていた。


 メイド達にシーツを変えることも禁じている私は、ここで彼女を想って指を動かす。私自身を辱めて、彼女を穢す。


 彼女を想うだけで、私の脚と脚の間ははしたないほど濡れていた。



 今、貴女はどうしている──…?

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