
戦場のマリオネット
第5章 真実と本音
「良い気持ちだわ……ラシュレ」
ギャフシャ夫人の肉づきの良い腕が、私の首に絡みつく。
「市民の私が、貴女のような女を組み敷くことも痛ぶることも出来るなんて……。貴女にはよくつれない態度をとられていた、私がこんなに見惚れていたのに。まるで下々の女には、綺麗な宝石に触れる資格もないと言われているような……惨めな気持ちにさせられたわ」
息苦しいほどのキスを貪りながら、ギャフシャ夫人は私の身体を無遠慮にいじって、撫でて、連日の殴打でほぼ衣服の機能をなくしていたシャツを除いた。胸や腰を撫で回す。
「私の指、あのイリナ様の中も泳いだのよ……この指を咥えられるなんて、貴女にしてみたらご褒美かしら……」
「イリナ……」
「ねぇ」
ギャフシャ夫人の唇が私の耳朶を食んで、彼女の指が私のすぐ目の前をひらひらと舞う。
「これが欲しければ、貴女の姫君にするように、私に跪いてみせなさい。全裸になってね」
「…………」
「死ぬ前に平民に頭を下げて犯されるなんて、滅多に出来る経験じゃないわよ。……早くなさい!」
