
戦場のマリオネット
第2章 終わりなき責め苦
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週に一度の報告のため、朝一番にチェコラス君主の居城へ伺候した。
まだ三十代という若さの現チェコラス公爵は、先日の騎士と王女の捕獲を喜び、父にも宜しく伝えてくれと上機嫌で私を見送った。城を出ると、ミリアムを含む部下達二人が、馬車の用意をして待っていた。
「お疲れ様です、ラシュレ隊長」
「お疲れ様です。公爵のご様子はいかがでしたか」
御者が馬車を走らせると、私は彼らに城主の機嫌と、言付かってきた事柄を告げる。
イリナをチェコラスに従軍させる際には、国教であるカトリックに改宗させること。敵わなければ異端審問にかけて構わないが、当面の彼女の罪状は、先の衝突における当国領域での傷害罪にとどめること。
公爵は、屈服を強いる手段として与える拷問は制限しない、絶命させたのならやむを得ないとも付け足した。
「焦っておいでなのでしょうか」
「無理もありません」
「何か根拠でも?」
「公爵様がコスモシザをご所望になったのは、ここ十年二十年の話ではありませんからな。私は先代様の時代よりチェコラスにお仕えしておりましたが、既に動きはございましたし、実際はもっと以前から」
「そう言えば二十年ほど前、大きな戦が起きたのも──」
