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戦場のマリオネット

第2章 終わりなき責め苦


* * * * * * *

 昨日と同じ地下の独房。

 イリナは項垂れるようにして、石台に寄りかかっていた。

 扉の音にも反応しないイリナは、私達に気づいていないのではないはずだ。気位の高さを暗に示した面持ちを、頑なに一点に向けている。


「公爵様のお達しだ。イリナ・アイビー。お前は我が国教に改宗しろ」

「…………」

「コスモシザは、じきにチェコラスの手に落ちる。市民への暴虐は避けたいが、異教徒には容赦しない」


 イリナが鋭い眼差しを向けてきた。

 憔悴して見えていたが、切れ長の目元に煌めく緑の双眸は、強い意思を湛えている。

 私はミリアムとブリーズに、イリナを立たせるよう命じる。


「何するの」


 二人の兵士らに腕を取り押さえられたイリナに、私は進み寄る。ブラウスの薄布を盛り上げていた乳房を掴み、強く揉みしだくと、その手でボタンを外しにかかる。

 下着が、たわわな乳房を見事な壺型に整えていた。
 そんな文明の産物も、除いていく。イリナの抗議が激しさを増す。

 ミリアムは彼女を押さえていた腕を強めて、私を手伝ってくれた。

 上階のリディを案じてか、イリナは多少の抵抗はしても、腹や太ももを少し打てばしおらしくなる。ボトムとショーツまで下ろすと、色素の薄い肌の随所に血痕がこびりついていた。

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