
戦場のマリオネット
第2章 終わりなき責め苦
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昨日と同じ地下の独房。
イリナは項垂れるようにして、石台に寄りかかっていた。
扉の音にも反応しないイリナは、私達に気づいていないのではないはずだ。気位の高さを暗に示した面持ちを、頑なに一点に向けている。
「公爵様のお達しだ。イリナ・アイビー。お前は我が国教に改宗しろ」
「…………」
「コスモシザは、じきにチェコラスの手に落ちる。市民への暴虐は避けたいが、異教徒には容赦しない」
イリナが鋭い眼差しを向けてきた。
憔悴して見えていたが、切れ長の目元に煌めく緑の双眸は、強い意思を湛えている。
私はミリアムとブリーズに、イリナを立たせるよう命じる。
「何するの」
二人の兵士らに腕を取り押さえられたイリナに、私は進み寄る。ブラウスの薄布を盛り上げていた乳房を掴み、強く揉みしだくと、その手でボタンを外しにかかる。
下着が、たわわな乳房を見事な壺型に整えていた。
そんな文明の産物も、除いていく。イリナの抗議が激しさを増す。
ミリアムは彼女を押さえていた腕を強めて、私を手伝ってくれた。
上階のリディを案じてか、イリナは多少の抵抗はしても、腹や太ももを少し打てばしおらしくなる。ボトムとショーツまで下ろすと、色素の薄い肌の随所に血痕がこびりついていた。
