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戦場のマリオネット

第2章 終わりなき責め苦



 涼しい顔で、ブリーズは、ミリアムに次の縄を寄越すよう手を出す。彼女が彼に従うと、イリナをほど良い高さのポールに吊るした。日常的に体罰が行われていた独房には、そうしたものも渡らせてある。

 農家の人間が解体作業でもしている手つきで、ブリーズは最後にイリナの脚を掴んで、M字に開かせて固定した。


「はぁっ、はぁ……」


 俗的な感動を現場に持ち込まないブリーズ同様、荒く息を吐き出すイリナも、おそらく劣情はきたしていない。性器と尻の裂傷が、彼女を呻吟させているだけだ。


「良い眺めだよ、イリナ。正気の人間なら出来ないような格好を、お前はしている」

「いいえ、ローズマリー国王一家と、女神様……トレムリエ様のご加護が私には……」

「まだお前は女神のものだと、改宗も屈服もしないのか」

「私にかかった罪なら償う。だからリディ様を国へお返しして」


 肉と血の色の迷宮が、私のすぐ目の前で雌の割れ目を開いている。全く愛らしくない、穢らわしいとさえ思うのは、私の愛でる肉薔薇とは似ても似つかないからだろう。
 肉体的に愛することも愛されることも拒んできたイリナの潤みは、私が割れ目に指を這わせても、裂けた肉襞の集合体でしかない。


「っ、……やめて……」

「怪我が痛んでいるようだからな。痛めつけないよう、考える時間を与えてやるんだ。有り難く思え」

「いやっ……私は……」


 日没までに、女神とやらに背かせる。


 その言葉と共に私はイリナの割れ目に息を吹きかけて、赤みがかった恥丘の縮れ毛を口に含んでくすぐった。

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