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戦場のマリオネット

第1章 辱められた矜持


 健康的な白い肉の這った彼女は、白桃のように熟れた乳房を実らせて、恥ずかしげもなく豆粒を浮かべた薄褐色の輪を載せている。ウエストはキュッと引き締まり、腕や脚は軍人らしく、無駄な肉づきのない代わりに、溌剌とした筋肉が巻いている。肩より短い赤みがかった金髪が、癖程度の波を描いて、石台に広がっている。


「うわ……」


 ミリアムが苦々しげに声をこぼした。

 地下牢に繋がれた人間を見たのが初めてだからか、或いは、一糸まとわぬ姿で手枷に自由を奪われている同世代の女に対する同情か。


「本当に捕まえたんですね。昨日、この女の軍に圧された我が部隊が難を逃れられたのは、ラシュレ様の狙撃のお陰でした。急所は逸らされたにしても、もっと重傷に見えたのに……」


 ミリアムの長いまつ毛に縁どられた翠の双眸が、女の裸体の腋近くへ向く。


「眠らせるだけの麻酔だったなんて」


 そこには、昨日、私が放った銃弾の痕跡があった。まだ生々しい肉叢の穴。


「ん……」


 切れ長の目許に通った鼻梁、薔薇色の頬に、尖った唇。プライドを絵に描いたような顔立ちの女が、初めて身じろいだ。

 ややあって、女の目蓋が開いた。

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