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戦場のマリオネット

第2章 終わりなき責め苦


* * * * * * *

 兵士達の知らせを受けて、私達が国立収容所へ向かうと、チェコラスとコスモシザの軍が攻防を繰り広げていた。

 既に駆けつけていたお父様の部隊を始め、奇襲を聞きつけてきた他の隊員達の話によると、向こうは騎兵が多くを占めており、正攻法は無謀だという。

 コスモシザの襲撃は、想定内だった。

 彼らは、近い内にイリナ達の奪回を試みる。そして国立収容所を襲う。
 長く無人だったあの廃屋に二人を禁足したのは、彼らに空回りさせるためだったのだ。


「第七部隊の兵員達が、各配置についている。彼らの銃が馬を狙う。その隙にお前達は、落馬した兵士から武器を奪え」

「この機にやつらも捕らえては……」

「今の内に殺しておけば、コスモシザに痛手を負わせられます」

「この近くは民家が多い。相手を逆上させて長引かせるより、撃退に専念したい」


 私はミリアム達を持ち場につかせた。

 初め私達に注意を向けていたコスモシザの軍勢は、どこからか放たれてくる弾に馬を狙われて、次々と土砂に振り落とされていく。

 這いつくばって、肩や腰を打ちつけても尚、彼らは剣を振り上げる。

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