
戦場のマリオネット
第2章 終わりなき責め苦
窓に覗く星空を集めてきたような、群青色のベビードール風ドレス。優雅な曲線のデコルテは繊細なレースに飾られており、身頃には身体の線を強調する編み上げリボン、ドレープの入った長いスカートは、スパークオーガンジーが柔軟なボリュームを加えている。
袖も通したことのないようなドレスに身を包んだ私は、夫人の手前のソファに座る。
ティーポットの隙間から、苺とルバーブの香りがこぼれていた。多分、着香前の茶葉はルフナ。
装飾品としての用途もありそうなケーキスタンドに、七色のギモーブが虹色を吸った雲のように並んでいる。可愛らしいアイシングクッキーにショートブレッド、それにさくらんぼの乗ったムース。
これだけゆっくりお茶していたら、リディ様が眠ってしまう。
気は急くのに、夫人の泣き顔が目蓋の裏側に焼きついて、離れない。
