
戦場のマリオネット
第2章 終わりなき責め苦
夫人が懐に隠していた毒気について、私の疑念は消えていたわけではなかった。
地下の独房へ戻り、ドレスを返した私を、メイド達が取り押さえた。夫人がドレスの内側から取り出したのは、注射器。得体の知れない液体が、私の皮下に流れ込んでいく。
無害とだけ説明して、夫人は私の問いをはぐらかす。必要な時に治験に協力すれば今後もリディに会わせる、とも続けた。
これが目的だったのか。
身体中から力が抜けた。
どうせまともに歩けもしない、どのみちこれ以上の衰弱に見舞われることはないだろう。リディ様の無事を間近に確かめられると言われて、愚かな誘惑を跳ねのけられるほど、私は冷静になれない。
第2章 終わりなき責め苦──完──
