
戦場のマリオネット
第1章 辱められた矜持
右側の手枷を外されたイリナは、意気消沈しきっていた。俯いて、唇を噛んで、彼女は震える手をくちばし型の器具に伸ばす。
「っ……」
目蓋を下ろした彼女は、本当に少女の名残りがあった。
おずおずと両膝を左右に広げた彼女が、握った器具の尖端を、下半身の肉薔薇に当てがう。
「んっ……んぅぅぐっ……」
医療用の膣鏡より、やや大きいと聞いたことがある。くちばしを半分ほど沈めたところで、窪みから、鮮やかな色の液体が這い出してきた。
「はぁっ……くっ……」
「純潔の騎士様が、自分で処女を破る羽目になるとはな。まだだ。それじゃあ入り口も確かめられない」
「私は、女神トレムリエと契った身……こんな野蛮な格好……」
「お前のような軍人は、所詮、王室のお飾りだ。怖じけて手も動かなくなったか」
馬鹿にしないで、と、イリナの声が怒気を含む。
臀部を伝って、裂傷の血が寝台にも落ちていく。
傷物の騎士は、今度こそひと思いに彼女自身の割れ目を貫いた。握り手に握力を加えて性器を開く。
膣鏡を根元まで咥え込んだ窪みは、下腹部の内部を完膚なきまで露出させた。懐中電灯の光を当てると、肉びらの最奥に割れ目の入った壁が見える。粘膜にしては黒光りしているのは、出血が酷いせいだろう。
