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戦場のマリオネット

第4章 愛慾と宿怨の夜会



「オーキッド夫人は、この女に騙されていらっしゃいます。ですから皆さん、夫人に見つかるような場所に痕を残してはいけませんよ」


 私の真後ろにいる婦人が私を抱き込むようにして顔を撫で、鎖骨を撫でて下着を撫でると、コルセットを外していった。


「美しくないな……酷い身体だ。紳士諸君、我々は勃たないかも知れませんよ。胸や腰は見事だが」

「仕方ないですわ、拘置されている間、ラシュレ様が随分とお楽しみだったようですから」

「騎士団のくせに、あばずれか。さぞ締めつけも悪いだろうな。……構わん。良いことをするのは、痛ぶるついでじゃ。わしらが勃たんかったら、女性の皆さんに任せよう」


 上半身を丸裸にされた私は、胸を隠すことも出来ない。指先一つ私の意思には従わせまいとしているような婦人達に、私は部屋の奥へと引きずられていく。

 醜いだのみすぼらしいだの喚きながら、男達が私の胸を物でも扱う手つきでしごく。脚を撫でる。女達も乳首をつねったり尻をくすぐったりしながら、私に足枷を装着して、寝台の枠に鎖で繋いだ。


「お嬢さん。ここは朝まで私達の他に誰も来ない。存分に可愛がってあげるわね」


 助けて、と、声を上げかけて喉が詰まった。


 誰に助けを求めるというのだ。

 私には守るべき人こそいても、頼れる人などいない。

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