
戦場のマリオネット
第4章 愛慾と宿怨の夜会
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アレットの真意を確かめる術もないまま、私は彼女の友人達と離宮へ戻った。
今度は部屋にありつけた。
清掃係のメイド達と入れ替わりに、私達はそこに入った。
すっかりそういう気分になった令嬢達は、内鍵をかけるなり寝台やソファに雪崩れ込んだ。そして思い思いにじゃれつき出す。
私もデボラという少女の隣に腰かけて、彼女の栗毛に指を絡めた。上気した頬に手を滑らせて、赤く濡れた唇を塞ぐ。
「あ、口紅……」
「はみ出すかもね。せっかく綺麗な色、取れてしまうのは惜しいけど、……」
私は彼女の赤い唇に舌を這わせて、唾液をたっぷり塗りつけていく。ホワイトローズの香りが、私を酩酊に誘う。口紅が薄れるほど舐めて、丹念に執拗に柔らかな花弁を味わっていると、彼女の腕が私の首に絡みついてきた。薄く開いた唇から舌が覗く。
「ラシュレ様のキス、気持ち良い……」
「まだ気持ち良くなるのは早いよ」
エレーヌという令嬢が私達の間に入ってきたので、私は彼女に同じキスをする。その間にデボラがドレスを脱いで、別の令嬢にコルセットの編み上げをほどくのを手伝ってくれと頼む。
寝台では、既に二人の令嬢達が、裸体で指を沈め合っていた。
