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戦場のマリオネット

第4章 愛慾と宿怨の夜会



 火のついた煙草が私の十字に至ることはなかった。

 あと一ミリといったところで、女がそれを遠ざけたからだ。

 一同は私の顔を覗き込んで、手を叩いて笑い出す。


「愉快だわ、この子、半ベソよ……コスモシザの奇習って、馬鹿馬鹿しいわよねぇ。可笑しいったら」

「本当に焼いてしまいたいところだけど、公務執行妨害を問われたくはないわ。その内、刑場で見ることが出来るでしょう。そうだわ、イリナを気持ち良くする話をしていたわね」


 女の一人が手招きすると、酒を飲んでいた男が気だるげに近づいてきた。


「この男は、殿方の中でも稀に見る巨根の持ち主なの。若いお嬢さんには裂けてしまった子もいるし、おまけに元気で、ある娼館で八人も種を植えてしまったものだから、膣への挿入は禁止を言い渡された人よ」

「まぁ、八人!六人だと勘違いしていたわ」

「イリナは元々汚いから、怪我してもよく分からないでしょうね」

「でも、チェコラスとコスモシザのハーフは見てみたくない?」

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