テキストサイズ

貴方はもう用済み

第1章 崩壊する関係

完全に椅子の上に縛りつけられてしまう自分

まさかこんなに本格的にされるとは思ってなかった

クスクス笑いながら智子はキャスター付きの全身が映る大きさの鏡を自分の正面へと移動させてきた

そのまま自分の後ろに立ち

自分の耳元まで屈んで

『ほら、鏡見て?悠君ったら凄い格好・・・お尻の穴まで丸見えになっちゃってる・・・恥ずかしいね?他の人が見たら・・・きっとド変態マゾとしか思わないだろうねぇ?』

耳元で囁く彼女

『そんな・・・だってここまでするなんて聞いてないし・・・』

『ふふ。そうだっけ?でもホラこうやって写真撮ったらさ・・・』

パシャリとカメラの撮影する音がした。

自分に携帯の画面を見せつつ

『何も脱いでないアタシと・・・全裸で縛られてケツの穴まで晒してる情けなくて惨めで哀れなド変態糞マゾ・・・でしょ?』

今まで出会ってから一度も聞いた事のない彼女の口から発せられた自分を罵る言葉

昼間の部屋で明るいため、自分のアレもお尻の穴もはっきりと見えている写真

『コレ・・・友だち皆に送っちゃおっか?悠君はもう完全に調教されたマゾ奴隷ですって』

『なっ!ダメっ!それはやばいって!』

『なんで?恥ずかしい?いいじゃん。本当の悠君をみんなに見せちゃおうよ?情けなくて惨めで縛られて興奮しちゃいますってさ・・・』

耳元で息を軽く吹きかけられる自分

狼狽える自分。このままじゃ本当にやばい

そう思ったら

『お願いします・・・それだけはやめて・・・ください・・・』

付き合ってから初めて・・・智子に頭を下げていた

自分の態度に少し驚いてから

軽く笑う智子

『ふふ。ごめんごめん。ちょっと驚かせ過ぎちゃったね。本気ですると思っちゃった?』

さっきまでの態度とは全然違ういつもの智子に戻っていた。

『さすがに、それはやり過ぎでしょ?悠君は別にマゾじゃないもん。本当のマゾ野郎だったら遠慮なくみんなに公開してたかも知れないけどね。』

本当のマゾ野郎だったら・・・その言葉はさっきまでより遥かに冷たい無感情の様なゾッとするぐらいに冷たかった。

聞き間違いであってほしかった

でも鏡に映る智子は見た事もない明らかに侮蔑に満ちた表情で自分を見ていた。

『お前・・・なんでやめてくださいって言いながら勃起してんの?私まだ何もしてないよね?やっぱり糞マゾなんだね』

ストーリーメニュー

TOPTOPへ