🕯️悪夢の神様🕯️
第16章 命の重さ
花の世界で生きられなかったが――――…祖父の事は尊敬していた。
あの配色は…祖父だけの感性で産み出されるものばかりだった。
大きいものから…小さいものまで――――祖父の作品は…どれも素晴らしかった。
そんな、祖父が
「お前は――――空白を埋めるのが上手いなぁ」
と、口にしたことがあった。
俺は意味が分からなかったが…その才能はボクシングに生かされた。
俺は、相手の隙を突くのが上手い選手だった――――らしい…
無意識なのか自分では分からないが…
コーチが言うには、俺には相手の無意識の隙が見えるのかも…だってさ。
でも――――…
花の世界は興味がなかったから…その“空白”とやらは理解でかなかったし、極める事もしなかった。
かといって…ボクシングは右目の失明と共に引退せざる終えなかった訳で……
「はぁ~…マジで…使えん能力だったわけだが……今後…何かに生かせるなねぇ?」
「ん?なんか言いました?」
つい、心の声が口に出てしまった。
隣にいた未來ちゃんが俺を見て小首をかしげる。