🕯️悪夢の神様🕯️
第16章 命の重さ
「エレベーター降りたあと…楽屋の前にいた他の子たちに凄く怒鳴ってて…萎縮しちゃいました」
「そっか――――…ま、アイドルって特殊な職業たから…ストレスも多いのかもね?」
ま、俺とは別世界のアイドルの話だ…ファンの笑顔のために頑張って欲しいものである。
急ピッチで花の飾りを済ませた我々は、最終チェックをしつつバランスを見る。
それにしても、美希さんと岳さんの仕事は丁寧だしセンスがいい――――。
色の使い方が旨いのだ…。
花束一つとっても、センスが感じられる。
あの、せっかち日本一の美希さんの直感は神がかっている。
「そう言えば…俺のじいちゃんも…せっかちさんだったかも…」
ふと、総華督まで上り詰めた祖父の事を思い出す。