🕯️悪夢の神様🕯️
第16章 命の重さ
ぶっちゃけ――――寝起きで頭は働かない…
が、廊下をバタバタと走る音に――――…俺と未來ちゃんはそちらに視線を向ける。
と、
「未來ちゃん!――――昨日のライブ会場で殺人事件!!!加藤 円が殺された!!」
ノックもせずに扉を開けられたが――――…
開けるなり美希さんの言葉の衝撃の方が上回り…
俺たちは手を繋いだまま居間に駆け出した!
『昨晩、このライブ会場でメジャーデビューを発表したアイドルの加藤 円さんの遺体が発見されました――――』
ライブ会場の清掃を委託されていた業者が、朝イチで訪れ――――遺体を発見した――――と、ニュースで言っていた。
「――――昨日の…昨日で?殺されたって…事か?」
確かに――――いつ殺害されるかは…未來ちゃんのビジョンでも分からなかった…
しかし、俺のアパートの火事のパターンだってあったのだ…
今、まさに――――今……殺害されてもおかしくなかった状況だった…って…事だ。
「――――止め…られ……いや――――…これで…良かったのかな?…加藤…円さんは……恨まれすぎ…だった…」
ニュースを見る未來ちゃんは…
そう
呟いた――――…
だらん…と、俺の手から…未來ちゃんの手が離れた――――…
が…
手首に結んでいたピンクのリボンは…繋がったまま…
手が離れた瞬間…
俺と未來ちゃんの手首に……振動が伝わった。