🕯️悪夢の神様🕯️
第22章 それぞれの望み
今まで見たことのない夢だった――――…
事故でも殺人でも――――ましてや…悪意のある殺意でもなかった…。
だけど…
今までにない……ヤバさを感じた…。
首筋に汗が流れる…。
その汗を拭おうとして手を動かそうとした――――…
「?」
重さで私の手がすんなり上がらない…?
手に視線を落とすと――――…
隣で寝ている皇輝さんの手が私の手に重なっていた。
リボンやちゃんと握っている訳でもないのに…
皇輝さんは私の夢の中で…強く手を握り「あっちはヤバイ」と、私が行くのを止めていた…
「――――現実では…手なんか繋いでなかった…のか…」
と、私はそっと皇輝さんの手から自分の手を引いた。
しかし、不思議である……
私はこんなに冷や汗をかいているのに、皇輝さんはスヤスヤと気持ち良さそうに寝ている。
「――――間抜け顔…」
なんかちょっと…気が抜けた。