🕯️悪夢の神様🕯️
第24章 誘惑
そして、ビジョンがグニャリと歪むと――――場面はかわり…
合唱部の活動時間――――
一人で端に立つくるみは…一人だけ壁に向かい立たされ――――…
指揮者に背を向けた体勢で部活を行っていた。
皆は、指揮者に向かい指揮をうけ歌うが――――くるみは壁には向かい…小声で歌い続ける…。
顧問も見て見ぬふり、指揮者もくるみがいないものとして皆を先導する。
部活の仲間も――――…くるみがいないものとして…いや――――…その場にいる先輩への生け贄として…くるみの惨めな姿を見せつけているのだ。
『下手くそ――――…辞めちまえ…、この尻軽女が』
『臭い……男の臭いがする…最悪』
壁に向かって立つくるみの背後にソッと近づき――――そのような事を…部活の間――――ずーっと聞かされる…
――――地獄だ…
『私は…何も……してない…のに』
くるみは涙を流し――――…壁に向かい…立ち続ける…。