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🕯️悪夢の神様🕯️

第24章 誘惑


『――――先輩がかわいそう……こんなブスに彼氏取られて』



『は?私――――そんなことしてない!』



『ホテルの近くで見たって子――――いるんだけど?』



『誤解だわ――――!私、そんな場所に行かな――――…い…』



話を聞くと――――くるみが合唱部の先輩の彼氏を寝取った…と、言うないようだった。


可愛がっていた後輩に裏切られた――――と、先輩が騒いだことで…くるみは合唱部から酷い扱いをされ…その流れからあっという間にクラスまで飛び火した…らしい。



『汚い女――――…』


そう言うと、クラスメイトはくるみにゴミを投げた。


すると、他の子達もくるみに向かってゴミを投げつけ始めた。



――――そんな…くるみ!



どんなに学校側に訴えても『わが校で虐めはございません』と、報告が上がるばかり。


両親に訴えても『学校からは一切そんな説明はない!不真面目になったのか!?思春期も考えものだな!』と、真面目に取り合ってくれないどころか、『怠けるな!』と、引きずって学校へ通わせる始末…。



くるみの表情からは…生気はなく――――…目の下のクマは…疲労と絶望を混ぜて塗ったかのように濃く刻み込まれていた。



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