🕯️悪夢の神様🕯️
第27章 【最終章】続く悪夢と現状維持
ザワザワと、事故直後の現場は騒然としていた。
ヨロヨロのお爺さんが車から降りてきて…オロオロと崩れ落ち…自分の過ちに項垂れる。
近くにいた人たちは、写真や動画を取りながら『マジで…ヤバくない?』と、リアルタイムを友達と共有する。
近くのラーメン屋の店主が飛び出してきて…あわてて警察と救急車に電話する。
車に押し潰された…アーティストの姿は…半分以上車の下敷きになり…様子が見えない――――が、徐々に広がる血溜まりに…撮影をしていた人々が…カメラを下ろす。
事故は撮影したいが――――死を黙って撮影することには抵抗があるらしい。
未來ちゃんは目を伏せ、この状況から目をそらす。
今回の事故は――――…いくらなんでも俺には防げない。
この老人が誰なのかも知らないし…
車の下敷きになっているアーティストだって…知らない。
どこにでもあるような――――防ぎようのない…事故だ…。