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みせてあげるね。

第4章 浮気


会う日の前日、職場の飲み会があった。
明日にそなえて早めに休んでおきたいけど、付き合いもあるし、ということで二次会にも顔を出すことにした。

二次会の場所は小さなスナックだった。コンビニに立ち寄っていた私以外の人は先に入って飲み始めているようだ。

カラン

扉を開けると扉の目の前にあるカウンターに他の部署の石田智(いしださとる)さんが座っていた。

「あっ、あかりちゃん、遅かったねー」

というと私の腰に手をまわした。

ドキッ

石田さんはこの会社で1番と言っていいほど顔が整っている。
部署は違っていたが、同年代なのもありこういったお酒の席で顔を合わせたり何度か話をしていたのでお互い存在は知っていた。
そんな彼の腕が私の腰に、と思うととてつもなく緊張した。

「こっ、コンビニに立ち寄ってました」

平然を装ってニコッと笑いかける。

「でも顔出したら帰ろうって思っていたので、そろそろおいとましますね」


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