
がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)
第16章 現実は、まだまだ厳しい、かもね?
ほ、ほえぇ〜…
ま、馬子にも衣装とは、本当によく言ったもんだ。
我ながら、自分に見惚れてしまう。
「・・・里美、さん・・・」
私の後ろから、聞き覚えのある声で
あまり聞き覚えの無い呼び方で
私を呼ぶ結が、来た。
振り返って彼女を見ると・・・
淡いピンク系の、
私の、彼女へのイメージを
激的に跳ね上げ、それ以上に磨き上げてくれる
素晴らしい衣装を身に纏い。
ふわふわなのに眩しくて、
本当に、
女神様かと思ってしまいそうなほど綺麗で、可愛くて、優しくて、愛おしい。
ウエディング・ドレスを纏った結がいた。
「・・・綺麗………」
こんな言葉しか、出てこない。
いや、他に思いつかない。
私はそれだけ言って、息を飲んだ。
「せんぱ………里美さんも・・・
とっても・・・綺麗で………っ……」
感極まった結は、そのままぽろぽろと涙を零した。
「………ほぉら。泣いちゃたら…せっかくの、お化粧……が……あれ?」
私も、彼女と同じく涙が自然に溢れ出して来てしまい、慌てて首を振った。
「お二人共・・・本当に、お綺麗です。
さあ………コチラへお越しください」
涙を流した分、少し化粧直しをしてから
わたし達は写真を撮ってもらった。
…結局、女子高生達にも見つかってしまったけど、
流石にわたし達のこの姿を見てキャーキャー騒いだりはせず。
夢を見ているように、うっとりとした眼差しでわたし達を見つめ
小さく拍手して祝福してくれた。
数日後、あの写真は無事に私達の元に届き
1枚は
新しく買ったセミダブルベッドの側に。
もう1枚は、二人で作ったアルバムに
それぞれ大切に納められている。
・・・現実は色々厳しくて
世の中もそんなに甘くは無いけれど
それでも、わたし達は
今日もなんとか生きている。
数日後には、
あのアルバムに
もう1枚
ウエディング・ドレスを身に纏い
より、寄り添った姿の写る
記念写真が並ぶ予定だ。
ー おわり☆ ー
