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がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)

第4章 結との思い出


 校舎内やグラウンドや体育館、理事長とのツーショットに至るまで、結の写真撮影が行われ、それを学園中の生徒たちが遠巻きから見て野次馬するという……

もちろん、授業もひったくれも無い訳で。


 野次馬の中には当然の様に先生方も……我等が担任までいる始末で(苦笑)

 みんな、気持ちはわが娘を見守る肉親的な?そんな空気の中だった。
 紫陽花が群生する校庭の隅で、それを背景に彼女にポーズなどを要求していたカメラマンが、こんな事を言い出した。



「……じゃあ、次は憧れの人に向けるような優しい笑顔、してみてくれる?」



 その要求に、結は同性の私ですら

『どきっ☆』

とするような素敵な笑顔をしてみせたのだ。

「イイねぇ。凄く良い。まるでホントにそこに射中のヒトがいるみたいだよ」

 「……あの子、本当にシロート?」


 一番近くにいた撮影スタッフ達から小さなどよめきが起きるほどだから、その笑顔には相当な破壊力があったにちがいなかった。



「……もしかして、本当におつき合いしてる人がいるのかなぁ?」



 カメラマンは、恐らくこの流れでさらにいい写真を撮るためにさらりと言っただけなんだろうけど……

 結はその問いかけに、何の躊躇も無く、さらに素晴らしい笑顔で答えた。





「はい☆」




一瞬で、その場の空気が変わった。

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