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がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)

第7章 猫は大人に染まれば虎になる

 兄貴が力尽きたという事は、当然次の攻撃目標は私って事になる(泣)

だが、私にはまだ危険回避の手段は残っている。

「結。こっちにおいで。
一息ついて、一緒に飲も♡」

私の隣の席……ローソファーの隣をぽんぽんと叩き、おいでおいで☆とジェスチャーすると、

「はぁい☆おねぇ〜さま♡」

とことこと歩み寄ると、唯はぺたんと座った。


…………私の膝に。

「違う!そこじゃない!」
と、ツッコミを入れたら結のタイガーモードのスイッチが入りそうなので、とりあえず好きにさせておく事にしよう。

 私だって結の空手ワザは喰らいたくないもん(汗)


 しかし……
わずかとはいえ、お猪口1杯と少しでここまで酔っ払っちゃうとは……。
 これからは、イタズラでお酒まぜたりはしません。だから、神様仏様っ!
どうか結の酔いを早く覚ましてくださいぃ!

そう頭の中で天に向かってお願いしていると


かちゃ☆

玄関でからドアノブを握る音が聞こえてくる。
視線を送ると、そこには復活した兄貴がコソコソと脱出しようとしていたのだ。


「あ〜〜っ!兄貴ぃ!いつの間に……」
背中を向けたまま一瞬、兄貴はびくう!と反応したが、



「認めたくは無いものだな。若さ故の過ちというものは……。
里美、後の事は、まかせたぞ!」



 この間見たばかりのアニメの……赤色で3倍速な御人みたいな台詞を残し、兄貴は脱兎していったのだった。



あんのヤロー……水曜日、顔を見たら修正してやる!

 一方で、自分の雇い主である兄貴を、私の膝の上にすわったままハンカチを振って見送っていた結は、今度はがばっ!と胸元に抱き付いてゴロゴロと喉を鳴らしはじめた。



……で?

この状況、私にどうしろと???



 何も思い付かなかった無力な私は、仕方無く、猫になった結の頭を撫でながら深いため息をついた。

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