
がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)
第7章 猫は大人に染まれば虎になる
「ねえ?センパイ?」
猫モードの結の声が胸元から……身体を通して中から響くのと、通常通りの耳からと二通り……不思議な感じに聞こえてくる。
「何?ゆい……」
「元カレ、気持ち良くしてくれてましたかぁ?」
「え゜?」
あまりにダイレクトかつ突拍子もない台詞に、私の声は見事に裏返った。
「なななな、何を急に……」
「臭い……しないんです。幸せだった……ってゆ〜か……女性だった、臭い」
え?
な、何の話?
ニオイって……なんの事?
「私……判っちゃうんです。そおいうの。フェロモン?っていうか……」
な、何ですか、そのすんごい能力わ!
確かにこの子は昔から鼻が良かったけど……。
フェロモン?それ、匂わないものなんじゃ…………。
・・・って、あれ?!
「ゆ、結?あなた……」
結の両肩を掴むと、私は胸元の彼女の体を起こして顔を覗き込んだ。
「よ……酔っ払って、無い?!」
「あはっ☆ばれちゃいました?」
イタズラっ子みたいに無邪気に舌をちょっと出し、えへっと笑う彼女に、私は安堵のため息をついた。
「何よぉ?じゃあ、今までの酔っぱらい行動は……
お酒飲めないのは、ウソだったの?」
「飲めないのも、酔っ払っちゃうのも、ホントです」
テーブルに置いてあった水割り用のペットボトルを手に取ると、結は美味しそうにそれを飲んだ。
「何曲目かは分かりませんけど、歌ってる途中で覚めました。
で、またやっちゃったなって、理解しました」
……“また”って事は……何度か同じ目に遭ってるんだ……。
その内の1回は、私と兄貴によるものなので、他のイタズラ好き達を責める事は出来ないけど……ヒドイ奴らだ(苦笑)
