
がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)
第12章 結の記憶
私が小3の頃。
夏休みの時でした。
あの頃の私はいじめられっ子で。
あの日、あいつらに意地悪されて、自転車が泥だらけ。
チェーンも外されて、私はただ、泣いてました。
立ち尽くして泣いていた時。
「どうした、少年?!」
でっかい、色黒な、ポニーテールの女の人が現れました。
それが先輩との初めての出合いでした。
(小学3年……じゃあ、私は5年生か……
って、でっかいって…(汗))
泣いてばかりいて、ただ立っているだけの私に
「あちゃ〜。コリャまた随分されてんねぇ……」
そう言うと、自転車と私を軽々と担いで
(え゛…担いで?)
当時の先輩の家まで連れて行ってくれて
(あの頃…?たしかガレージ付きの貸家だったわよね……懐かしいな)
そこで、私の自転車を元通り以上にしてくれました。
(……元通り、以上?何やったんだろ?私)
そして、私の頭を撫でてから
「意地悪されたら、やり返せ!とは言わないけどさ」
ニッコリと笑いながら
「悔しいんなら、ちゃあんと文句言わなきゃね」
……って言ったんです。
言いました!って噓だったけど……反論したら
「……そっか……そいつは偉いなぁ。
でも、こうなっちゃったか……
じゃあ、次は、もっと頑張んなきゃね」
とか、言ったんですよ?
(アハハ…我ながら、随分無責任な事を言ったんだな、あの頃の私(汗))
じゃあ、もっと…何を頑張ればいいの?っと聞いたら
「……何か好きな、夢中になっちゃうものはある?」
私は首を横に振って
「無い」と言いました。
「じゃあ……誰かより、得意なモノとかある?」
私はまた、首を横に振って
「無い」と言いました。
「……じゃあ、負けたく無い!って思った事はある?」
少し考えてから、頷いて
「それは、ある…かも……」って答えたら
「んじゃ、私と同じだね♫」
って、私の頭をくしゃくしゃってして、
にっこり笑ったんです。
「私も小さいときはなんにも無かったんだけど、負けん気だけは沢山あったから。
私もよく、“コメツキバッタ”って言われていじめられてたけど……ひとつひとつ、負けないように頑張ってたら・・・」
その時、何台かのバイクと、怖そうな人たちが来て……。
