
がーるず・らぶ 里美と結の場合(R18)
第14章 夢の中へ……
ひとしきり泣いた後。
結はその後も色々、話を聞かせてくれた。
AV初主演の時はレズものだった、とか。
オカマ社長が、自分の事を凄く大切にしてくれていて、結が処女を失うことに関しては、実は最後まで反対してて、
だからしているフリの作品が沢山あるとか。
皆が体験しているから、自分もそうならなくちゃいけないと、思って
適当に相手を選んで済ませようとしていたら、それがバレてオカマ社長に本気で怒られた、とか。
セックスのイロハを教えてくれたのは、初めてのレズモノで共演した先輩女優さんで、すっかり意気投合して仲良くなって、今でも時々、心配して連絡をくれる事、とか。
結の意中の人が同性であり、それを知っていても芸能事務所の皆は(特にオカマ社長が(笑))応援してくれている事など……。
「結は、良い人達に出逢えたんだね。
少しだけ、羨ましいかも」
少し、今の結が大人に見えるのは、そういう事かもしれない。
「それに比べて、私は……社会人になってからは何も残らなかったかな……」
「先輩だって、周りに素敵な人達、イッパイいるじゃないですか」
結は私の両肩を優しく抱くと続けた。
「面白いお兄さん、綺麗で気の強くて優しい元総長のお兄さんの奥さんに、元暴走族のコリ・アンダーの社員の皆さん。
女子校の時の同級生の、栄子さん、美依子さん……
皆さん、本当に先輩の事を心配してましたよ?それに・・・」
ちゅっ☆
結は優しい、小さな口吻をすると
その綺麗で、澄んだ瞳を私に向けた。
「何より……今は。
センパイには、私がついてます♡」
ダメ……
また、目頭が熱くなってきちゃう。
「そ…そうだね。うん。そうだよ……」
泣きたくなるのをぐっ!とコラえた私は
「結にだって、私がついてる。
これからは、私が、貴女を護るんだから」
結は、小さく頷くと
ぽろっと涙を流してから大きく頷いて
「はい。
でも、護る事なら、負けません♡」
そう言って、とびっきりの微笑を見せてくれた。
・・・今の私達には
もう、怖いものなんて、無い。
そう思えるほど、幸せだった。
