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ぼっち─選択はあなたと共に─

第2章 怒りの炎

「まさか私よりヒカルを選ぶなんて……どうして!? 私、頑張ったのにっ……石にされなければヒカルよりもずっとクロードのことを考えて、クロードを支えて、愛されるように努力したのに……!!」

 ナツミはそう言いながら泣き崩れてしまった。
 まさかナツミにこんな激しい一面があったなんて……。いや、ナツミを初めて見た時、なんとなく周りから愛されようと無理してる感じはあった。
 
「ナツミさん……」

 そっとナツミの肩に触れようとすると、

「触らないで!」

 手を弾かれてしまった。

「ヒカル様っ……」
「大丈夫、気にしないで」

 ナツミの『自分を見て欲しい』という気持ちはヒカリにも痛いほどわかった。ヒカリもヒカルの肉体の中で、ずっと母親に自分を見つけて欲しいと願っていたから──。

「……私に同情? 余裕ね」
「!」
「あなたはそうやって、いつも誰かに守られてるよね……。自分からは何も行動を起こさないくせに、レシピェールさんたちにも愛されて。レイナやバットだって……あの場所は私の唯一の居場所だったのに……!」
「そんなっ……」
「なのに、クロードまでっ……!」

 その時、ナツミの体に変化が起きた。
 赤い炎がナツミの体から揺らめいているのが見えた。

「ナツミさんっ……」
「私はクロードを探しに行くわ」

 そう言い放つと、ナツミは森の奥へと走って行ってしまった。


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