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ぼっち─選択はあなたと共に─

第2章 怒りの炎

「クロードは……」

 まさか現実世界に戻ったなんて言えない。

「クロードはいませんよ。なぜあなたがここにいるんです?」

 ヤクモがすかさず問いかける。

「……いない? じゃあどこにっ……」

 しかしナツミは質問には答えず、辺りをうろちょろした。

「あの……もしかしてナツミさんも魔女狩りにあってここへ……?」

 ナツミの動きがピタッと止まる。

「あなた、一体何をしたの……?」
「えっ……」
「あんなに優しかったおじさまもおばさまも、急に怖い顔をして『この女も魔女だ!』って私を捕まえようとしたの。私、怖くなって討伐隊本部に駆け込んだわ。そうしたらクロードは、ヒカルを探しに西の森に行ったって聞いて……」
「!」

(じゃあクロードは見てたんだ、ヤクモさんがヒカルを抱きかかえて西の方角へ飛び立つところを……)

「でもここに来ていないなんて、まさかどこかでシャドーにっ……」
「……っ……」

 クロードの心配をするナツミに、ヒカリはなんて答えたらいいかわからなかった。

「ねえ、ヒカルは心配じゃないの!? クロードがあなたを心配して一人で西の森まで行ったのよ? 危険を顧みず、あなたを助けに行ったのよ!?」
「……っ……」
「どうしてヒカルなの? どうしてヒカルの時はすぐに助けに行くの? 私の時は半年も来てくれなかったじゃないっ……」

 だんだんナツミがヒステリックになっていく。


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