ぼっち─選択はあなたと共に─
第3章 帰らずの洞窟【選択1】
「ナツミさん、待って!」
ヒカリはナツミの後を追おうとする。しかしすぐにヤクモに止められた。
「ヒカル様、この先は危険です!」
「でもこのままナツミさんを放ってはおけないよ! それにクロードはっ……」
そこまで言いかけて、ヒカリは慌てて口をつぐむ。
「クロードがどこにいるか、ご存知なのですか?」
「……っ……」
今ならまだ間に合う。
ナツミに真実を話せば、ナツミが危険な目に合うことはなくなる。しかしクロードがいなくなった世界に納得するかどうかはまた別の話だが……。
「ワンワン!」
その時、白い犬がナツミのあとを追いかけてヒカリの横を駆け抜けて行った。
ヒカリは意を決して、白い犬を追いかける。
「ヒカル様っ……!」
ヤクモは急いで口笛を鳴らすと、手に止まった一羽のカラスに何か伝言を伝えて走り出した。
(この先には帰らずの洞窟がある。もしナツミがそこに入ってしまったとしたら……。助けに入って万が一出られなくなったら、殿下のお力を借りるしか……)
一方ヒカリは木々の間を通り抜けると、ちょうど真っ正面にぽっかりと開いた洞窟を目にした。
「ワンワン!」
白い犬は洞窟の周りの匂いを嗅ぐと、ナツミはこの中に入って行ったのだと教えてくれる。
「ここにナツミさんが入って行ったの?」
中を覗くが、真っ暗で何も見えない。
ヒカリはナツミの後を追おうとする。しかしすぐにヤクモに止められた。
「ヒカル様、この先は危険です!」
「でもこのままナツミさんを放ってはおけないよ! それにクロードはっ……」
そこまで言いかけて、ヒカリは慌てて口をつぐむ。
「クロードがどこにいるか、ご存知なのですか?」
「……っ……」
今ならまだ間に合う。
ナツミに真実を話せば、ナツミが危険な目に合うことはなくなる。しかしクロードがいなくなった世界に納得するかどうかはまた別の話だが……。
「ワンワン!」
その時、白い犬がナツミのあとを追いかけてヒカリの横を駆け抜けて行った。
ヒカリは意を決して、白い犬を追いかける。
「ヒカル様っ……!」
ヤクモは急いで口笛を鳴らすと、手に止まった一羽のカラスに何か伝言を伝えて走り出した。
(この先には帰らずの洞窟がある。もしナツミがそこに入ってしまったとしたら……。助けに入って万が一出られなくなったら、殿下のお力を借りるしか……)
一方ヒカリは木々の間を通り抜けると、ちょうど真っ正面にぽっかりと開いた洞窟を目にした。
「ワンワン!」
白い犬は洞窟の周りの匂いを嗅ぐと、ナツミはこの中に入って行ったのだと教えてくれる。
「ここにナツミさんが入って行ったの?」
中を覗くが、真っ暗で何も見えない。