テキストサイズ

人気セクシー女優への階段

第3章 性欲の発信

「もしかして、妹尾さんに怒られた?」

不意に聞かれ思考が停止する。質問してきたのはメイクさんだった。

「そうなんでしょ?顔に書いてあるわ。でもダメよ、そんな顔で撮影しちゃ!せっかくのデビュー作なのにもったいないわ。くるみちゃん、あなたはもうプロなのよ。撮影前にどんなことがあってもそれを引きずってはダメよ。」
「はい…」
「それから妹尾さんやる気なさそうに見えるけど、いつかきっと、くるみちゃんの力になってくれる日が来るわ。ね、だから頑張って!切り替えて行ってらっしゃい!」
「はい!」

励ましの言葉を貰って、勇気が湧いてきて、絶対にこの作品を成功させたいという強い思いが出てきた。

「種村さん、本番そろそろなのでスタジオにお願いしまーす」

スタッフさんに呼ばれ私が席を立つと、メイクさんが背中をトンと押してくれた。

それに頷き、いざ出陣、と心の中で呟いた。

楽屋を出るとバツが悪そうに妹尾さんが立っていた。

「……行ってらっしゃい」
「え…」

言葉をかけられるとは思ってなくてつい驚いてしまった。

「なに?遅れるから早く行きなさい」
「はい!行ってきます!」

私は本番への緊張と期待を胸にスタジオに入った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ