先輩!彼氏にしてください!
第8章 危険人物
「っ……僕の告白の邪魔、しないでもらえますか?」
「えー? でも俺もほのかの事好きなんだから仕方なくね?」
ワナワナしながら新先輩を睨みつける谷川くんとは裏腹に、新先輩はかなり余裕そうに微笑みを返している。
何でこんなことになったんだ……
ていうか、他のみんなもいるんだけど………
「……あの…とりあえず、文化祭の準備させてくれませんか。時間がないんですよ」
新先輩も何を思ったのか知らないけど、谷川くんを変に挑発するようなことはしないでほしい。
案の定私の言葉をガン無視した谷川くんはまだ新先輩に牙を向いている。
「ほのか先輩に近付かないで下さい!!」
「なんで?」
「先輩は僕のものだからです!!」
「そうなの? でも付き合ってないんだろ? なぁ?ほのか」
勝手にペラペラと話を進める2人に呆れる。
ていうか、手も離して欲しい。
何でこんな3つも手を重ねちゃってるの……
「……付き合ってないです。て、いうか、新先輩もそうやって後輩で遊ぶのやめてください…」
「えー?」
「谷川くんを刺激しないで下さい……どんどんめんどくさくなるだけなんですって…」
項垂れるようにそういうと、新先輩は「うーん…」と唸りながら私の顔を覗き込んできた。
「俺、別に遊んでないけど」
途端に真顔になった先輩につられて、私は顔を上げる。
すると先輩は、私の耳に顔を近付けた。