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先輩!彼氏にしてください!

第8章 危険人物




「………ほんとに、取っちゃったの…。しかも…2つ…も?」


「ええ。当然の結果ですよ。だって、ほのか先輩はそれくらい美し─────」


「───── すごいじゃん!!!!!」


「──────────…………………」




突然、僕に見せたこともない満面の笑みを向けてきたほのか先輩に、目が釘付けになった。


微笑みを向けられたら、どんな気持ちになるんだろうってずっと考えていたけど、想像以上で胸が一気に熱くなる。


かわいい…


こんなに幸せなことってあるだろうか…


感極まって鼻を啜ると笑顔だったほのか先輩はびっくりしたように目を大きく見開いた。




「え、ちょ、なんで泣いてるの!?」


「っ……泣いてないです」


「突然の嬉し泣き? さっきまで『当然です』とか言って平然としたじゃん!」


「賞を取ったのは…当然です」




賞を取るよりも難しかったほのか先輩の笑顔を見ること。


それが叶って嬉しいのに、泣いてしまってはまた嫌われてしまう。


何とかして涙を拭っているとほのか先輩は「ふふふ」と声を上げてまた微笑んだ。



「強がっちゃって。嬉しいなら嬉しいって言えばいいのに」


「………っ……」



本当に……


笑顔がかわいすぎる。


いや、怒ってたってかわいいけど、笑顔のかわいさは犯罪級だ。


嬉しいのは受賞に対してではないのに、ほのか先輩がまた笑みを向けたので僕はもっと見ていたくて否定せずに黙り込んだ。



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