先輩!彼氏にしてください!
第8章 危険人物
†─── 誉(ほまれ)side ───†
僕の報告に、動きが止まった先輩をじっと見つめる。
「……あの…?」
見つめ返されて、胸が高なる。
やっぱりほのか先輩はかわいい。
本当にアラタ先輩に取られなくて心底安心したけど、それと同時に、アラタ先輩でもダメなら、ほのか先輩の理想はどこにあるのかと少し不安にある。
いっそもう誰のものにもならずにいてくれればいいのにとさえ思うけど、やっぱりほのか先輩のかわいさからして、そんな訳もないだろうし……
「い、今、受賞した、って言った……?」
「え? あー、はい。大賞と、審査員特別賞の同時受賞だったみたいで」
大きな目をぱちぱちとさせているほのか先輩を見ながらハッとした僕は、すぐさま頭を下げる。
「あの…っ…今更ですけど、改めて…モデルになってくれてありがとうございました。あ、当たり前ですけどやっぱりほのか先輩だったから受賞したので…」
もらった賞は僕に、ってより、先輩に向けられたものだ。
だって、ほのか先輩はこの世のものなのかと疑わずにはいられないほど、美しくて、神秘的な──────