先輩!彼氏にしてください!
第8章 危険人物
誰にでも……
そうなんだろうか。
分からない。
だって、こんなことしてくるの、谷川くんだけだし。
「………やっぱ答えないでください」
「谷川くんっ……もぅ…あぁっ…」
「好きです。ほのか先輩…大好きっ……」
「……っ…んぁぁっ…」
「また締まった……っ」
何度も言われた言葉に、胸が苦しくなるのが分かる。
本当に私はどうかしちゃったのかもしれない。
とにかくもっと気持ち良くなりたいとか、そんないやらしいことばかりに頭が占領されてしまっている。
「いいですよ、イッて」
「ぁぁっ……」
殺した言葉が微かに部屋の中で響く。
またこの前体験したフワリと体が浮くような感覚に見舞われる。
「イッたんですね」
「はぁっ……はぁっ…」
「……かわいい……はぁ…好きです。本当に本当に大好き」
視界が霞む中、何とか手を伸ばして私は谷川くんのネクタイを掴んだ。
「っ……!? ほのか先輩?」
よろめいた谷川くんは、その綺麗な顔をまたわたしに近付けた。
突然のことに困惑したその顔はやっぱりかわいくて……
「……ば…か……」
素直じゃない私の言葉に谷川くんはまた苦しそうに顔を歪ませる。