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先輩!彼氏にしてください!

第1章 彼氏にしてください!



突然やってきた転校生。


前髪を伸ばしていて、陰気で、表情も見えない。


何故なのか私に懐いてて、どこにでも現れてはキモチワルイ事を言って私を不快にさせる。


ふと私は再び彼の絵を見る。


でも……彼の訳の分からなさが、この芸術を生み出すのだとしたら…



「谷川くんは、全部が一方的なの」


「……どういうことですか?」


「どうしてそうやって突っ走るの? 私、谷川くんのこと何も知らないんだよ? なのに付き纏われたり、急に抱きしめたり……そんなのただキモチワルイだけに決まってるよね?」



ぐぅの音も出ないと言ったところだろうか。


押し黙った谷川くんは、心なしかシュンとして見える。




「私のことが好きなら、もっと私の気持ちを考え───」


「──── えっ……そんなっ…好きって」



突然慌てふためく谷川くんは目が隠れていても分かるくらい顔を真っ赤にさせた。


何この反応。


ホント、予測不能だ。




「バ…っ…バレてたんですか」


「は………?」


「だ、だって、僕、好きとかっ…言ってないのに」


「…………本気で言ってんの…」




あれでバレないと思ってたって無理があるでしょ。


てか…



「好きって言ってなかったっけ」


「言ってないですよー!」


「うそだ。言ってるでしょ」


「言ってないです! だって先輩に告白するときは、晴れた日の海、夕焼けをバックにって僕決めてたんですから!」




何だそりゃ………



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