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先輩!彼氏にしてください!

第1章 彼氏にしてください!



いつになく、男らしい低い声に、不覚にも胸が高鳴る。


落ち着けほのか…


こんな男にときめくはずがない。


それとも、意外とイケメンと知って見る目が変わった?


いやいや、そんなことでこの子のいつものキモチワルイ行動がチャラになるわけがない。



「ほのか先輩の…理想のタイプになります…っ……。だからタイプを教えて下さい」


「……っ…──────」



やっぱり、谷川くんの頭に耳が見える……。



「と…りあえず……。私のタイプは…」



言いかけると、谷川くんはギュッと私の手を掴む力を強めた。



「こんなに前髪長くなくてモサッとしてない人」


「……はい…」


「明るくて、笑顔が素敵で、みんなに慕われてて、優しくて、大人で…」


「っ……は、はい…」


「頭が良くてスポーツしてて、体も筋肉がムキムキで、よく食べる……つまりは谷川くんとは正反対の人! それが私のタイプ!」



そう言い切りながら、私は腕を振り解く…けど、それは叶わずに谷川くんは懲りもせず私のことをキツく抱き締めてきた。



「僕頑張ります! 」


「ちょっとっ…! だからそうやって抱きついてきたりするなって───」


「───── 先輩!」



風が窓から入り込んで、そして、谷川くんの前髪が靡く。


隙間から再び覗くあの瞳。


そして、初めてみたキラキラの笑顔に私はまた固まってしまった。



「好きです! 先輩に見合う男に絶対なりますから、そのときは…」


「────────…」


「絶対、彼氏にしてください!」






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