先輩!彼氏にしてください!
第3章 スーパー新会員
ガンっ…!!!と音を立てて生徒会の扉を開ける。
中にいた子達は、ビクリと体を震わせて「うわぁっ…!」と驚いていた。
「…………遅れてごめん」
「い、いや……それはいいんですけど……会長、何かありました?」
「………別になんも」
図書館で出来事以降、私はすこぶる機嫌が悪い。
本当にあんな記憶は消してしまいたい。
「だったらそんな強くドア開けないでくださいよ。壊れます」
「それは……ごめん」
メガネを外して、メガネ拭きでレンズを拭きながら、後輩の平井くんははぁ……とため息をつく。
見た通りのドがつくほどの真面目くんで、成績優秀、らしい。
「会長だってイライラすることありますよねー」
ニコリと笑った同じく後輩の葵(あおい)ちゃんは、いつもの如く天使の笑みを振りまいている。
彼女は小柄で可愛らしいのだが……まぁこう見えて、結構変わり者だ。
「そういえば、明日から新しい子入ってくることになったらしいよ」
はわぁ…と欠伸をしながらそんなこと言うのは、同じ学年で副会長の男の子、星野(ほしの)くんだ。
あまり生徒会らしくなく、お気楽なタイプだ。バスケ部の部長でもあり、結構モテる、らしい。
「え! 引き抜いたんですか!」
葵ちゃんが嬉々として声を上げると、星野くんがイヤイヤと手を振った。
「向こうから来たんだよ」
「なんで会長の私が知らないところでそんなことになってるの…」
「別にいいじゃないですか。常に人手不足なのがこの生徒会なんですから、」
平井くんにドライにかわされて、私ははぁ…とため息を吐いた。